チェルシーがCL優勝し、5位以下フィニッシュのとき、3位クラブは?

結論から言えば、全チームがグループステージからのスタートになるようです(プレーオフなし!)。
いまのところ確認できているのが、プレミアリーグ公式サイトからの情報くらいなので、心もとないといえば心もとないのですが、まあそれ以上のことはみんなよくわかってないんじゃないかと思われます。


http://www.premierleague.com/en-gb/fans/faqs/who-qualifies-to-play-in-europe/

The top four teams in the Barclays Premier League qualify for the UEFA Champions League.
UEFAチャンピオンズリーグに出場権があるのは、プレミアリーグ4位までのチーム。

English winners of the UEFA Champions League finishing outside the top four places (but who qualify for the UEFA Europa League through their domestic Barclays Premier League position) go forward as Winners to the group stage along with domestic champions, runners-up and third place.
イングランドのクラブがCLチャンピオンになったが、プレミアで4位以内に入れなかった(が、ELの出場権をプレミアの順位により得た)場合、プレミア優勝クラブ、準優勝、3位クラブとともに、CL優勝チームの立場でグループステージにまわる。


No extra domestic place can be gained by winning the UEFA Champions League, therefore the team finishing fourth drops to the UEFA Europa League.
CL優勝によって国別の出場枠が増えることはない。したがって4位のクラブはELにまわされることになる。


English winners of the UEFA Champions League who do not qualify through their domestic position go forward as Winners to the group stage, with the team finishing fourth dropping to the UEFA Europa League. In this case, the national association of the title-holder is entitled to one additional place in the UEFA Europa League.
CLチャンピオンになったイングランドのクラブがプレミアの順位でCL出場権を得られない[、さらにELの出場権も得られない*1]場合、優勝チームとしてCLグループステージに出場し、4位のクラブはELにまわることになる。この場合、優勝クラブが属するフットボール協会にはEL枠が1つ追加されることになる。

*1:意味が通じないのでたぶんそういうことでしょう

2005年のオフサイドルールの変更がもたらす意味について

引き続きジョナサン・ウィルソンの The Question より。今回はオフサイドについてです。2005年にオフサイドのルールが微妙に変更されました。大きく論じられることはあまりありませんが、これによってフットボールを取り巻く環境が変わり、かつてない美しさを見せる素地が生まれた、と彼は論じます。バルセロナがこれほどまでに世界のフットボール界で席巻しており、それが選手のフィジカルに基づいているというよりは、テクニカルな能力に基づいているのは、このルール変更によるところが大きい、と彼は論じます。


http://www.guardian.co.uk/sport/blog/2010/apr/13/the-question-why-is-offside-law-genius


それまでのオフサイドルールについては、Wikipediaなどで調べてみるとよくわかると思います。ちょうどいい感じに1925年の改正以来の流れは書かれてないですし。

オフサイド(サッカー)― Wikipedia

3人制オフサイドの時代には、フットボールがつまらないものになってしまいます。これはオフサイドトラップの流行によりゴールが入りにくくなってしまったためです。そこで現在の2人制オフサイドへ変更されます。これにより、試合あたりのゴール数も飛躍的に増加しました。より大きな影響としては、戦術面での多様化が始まったことでした。

以下訳。強調は僕。サッカーのルールブックなんかは参照していないので、訳が違うかもしれませんが理解はできると思います。

このルール変更は当初はうまくいっていたが、60年代半ばになるとオフサイドトラップが息を吹き返した。これはゾーン守備の出現、そして栄養管理とフィジカルトレーニングの改善による、プレッシングの発展と時を同じくしている。ヴィクトル・マスロフのディナモ・キエフリヌス・ミケルスアヤックスがプレッシングを行えば、自分らの目的に適うように有効なプレーエリアをうまく操るから、スリリングなフットボールが生まれえた。技術的に劣るチーム同士がプレッシングを行えば、ゲームはハーフラインを挟んで狭いバンドに押し込められてしまうことになった。


1990年イタリアワールドカップのゴール数の少なさは、オフサイドに限らず多くのルールを変更する機運になった。オフサイドについては、かつては最後尾から2番目のディフェンダーより後ろでなければオンサイドではなかったが、このディフェンダーと同じ位置にいる選手はオンサイドとみなされるようになった。その後1995年になってこのルールの言い回しについての細かい変更があり、その結果、選手が「その位置にいることで利益を得ている」場合、この選手は[オフサイドが]有効であるとみなされた。これはかつては「利益を得ようとしている」場合、とされていたものだ。


しかしもっとも根源的な変更が起こったのは2005年であり、このルール変更によって、最初にオフサイドが制定されてから142年後、ついにオフサイドは正しく解釈されるようになったようだ。まず、ボールを触っても問題のない身体部位が最後尾から2番目のディフェンダーを越えていれば、その選手はオフサイドであると明確に規定された。これは現実的には確認不可能だ。たとえば上腕とか胴体とかがディフェンダーの後ろから見えた、などという判断を線審が一瞬でできるはずがない。そうではなくて、この変更によって、疑いようのないくらいはるかに攻撃側に有利なものになったということが重要なのだ。


さらに重要なのは、関与という言葉の説明だ。「プレーへの関与とは、チームメイトがパス・ないし接触したボールをプレーないし接触することである。」その後修正が行われ、「オフサイドの位置にいる選手は、他のオンサイドの位置にいるチームメイトがボールをプレーする機会を持たない場合、主審の判断により、ボールをプレーまたは接触する前にオフサイドと見なされる」とはっきりと規定された。


「対戦相手がプレーに参加し、身体の接触の可能性があると主審が判断する場合、オフサイドの位置にいる選手は相手に関与したとしてオフサイドとされる。」


だからオフサイドとなるためには、選手はボールに触れるか、対戦相手と身体的接触の可能性がある位置にいる必要がある。


決定的なのは、相手フォワードをオフサイドポジションにすることができると考えてディフェンダーが一歩前に上がったとしても、そのフォワードを反則とするにはもはや不十分になってしまったということだ。オフサイドの位置にいるチームメイトから離れたところでボールをキープしようとするようなかしこい相手に対しては、オフサイドトラップが有効ではなくなってしまったということを意味しているのだ。


このことは数字がよく物語っている。オプタ社のスタッツによればプレミアリーグの97−98シーズンでは1ゲームあたり7.8のオフサイドがあったが、05−06シーズンでは6.3と急激に減少した。この新規則が施行されて以来オフサイドは減少し続け、今シーズンでは4.8にとどまっている。


昔なら前に進んでオフサイドをとればよいという状況や、ペナルティボックス内にボールが蹴りこまれたときに相手選手が自分の背後にいるという状況の時にディフェンダーはどうすればいいのか、と問う評論家――や監督や選手やファン――は今でもいる。もちろん、彼はボールにチャレンジするべきなのだ。ディフェンダーが前に進むだけでいいなんていうことになるのはどうしてだろう。80年間そうしてきたんだから、というのは言い訳にはならない。


FAにより1863年に採用されたオフサイドはドリブル主体のゲームを想定したものだったけれど、より北部、例えばノッティンガムやダービー、シェフィールドやスコットランドなど、パス主体のゲームが主流だったところで採用されたものは、ゴール前での待ち伏せを阻止するためのものだった。終わりなくボールを蹴り込んで、ゴールキーパーが何人かのフォワードと対峙しなければならないという、危険な状況が続くゲームになることを阻止するためのものだったのだ。


現代のオフサイドルールはこうしたことを阻止しているけれど、すばらしいかたちで出来上がっているので、オフサイドトラップを正当化するという副作用が生まれていない。そしてこのことは、もっとも基本的なレベルにおいても、良いことであるはずなのだ。もちろんだれも、ジョージ・グラハムでなくとも、試合について「うーん、今日の試合で相手はオフサイドをうまくとってくるかなあ」とは思わないだろう。ディフェンダーにディフェンスさせる。マークやブロックやインターセプトやタックルをさせるというのは、良いことのはずなのだ。


中略します。フットボールが生まれた時代よりも選手はより大柄になり、このため小さな選手たちはそうした大柄だけれども技術に劣ることの多い選手たちに混じって、ぶつかり合いのプレーをしなくてはならない、ということを防ぐために、ピッチサイズを大きくしてはどうかという話があったそうです。でもそれは問題ではないと言います。続き。

オフサイドトラップをやめさせれば深く守ることになり、中央の有効なプレーエリアは広がることになる(だから3バンドのフォーメーションから4バンドのフォーメーション表記に変化していったのだ)。この結果選手の身体的な大きさという問題は小さくなり、技術が再び重要になりつつある。チャンピオンズリーグでのバルセロナの優勝とユーロ2008でのスペインの成功はどちらも小さいが技術のあるミッドフィールダーによってもたらされた。でも彼らは二三十年前には絶滅したと思われていた人種だったのだ。


現代のオフサイドルールは十分な評価がなされないままだけれど、かつてない美しいフットボールを生み出す素地を生み出したのは、このルール制定なのだ。

どうして現代フットボールではプレッシングがこれほど重要なんだろうか

ジョナサン・ウィルソンのガーディアンの記事より。

http://www.guardian.co.uk/sport/blog/2010/apr/06/question-pressing-crucial-modern-game

どうして現代フットボールではプレッシングがこれほど重要なんだろうか

1981年10月、ヴァレリイ・ロバノフスキーのディナモ・キエフがゼニト・レニングラードを3−0で下し、10度目のソ連リーグタイトルを確たるものにしたとき、スポルティヴナ・ハゼタ紙はヴィクトル・マスロフがすでに亡く、彼の考えるサッカーの具現化が、これほどまでの高みで実現されているのを見ることができなかったことを嘆く記事を掲載した。先週の水曜日にアーセナル戦で彼らのコンセプトをまた別のレベルで具現化したバルセロナを、マスロフもロバノフスキーも見ることができなかったというのは残念というしかない。

この1週間指摘され続けてきたように、バルセロナの素早いパス交換、絶え間なく続く攻撃、フィールドを上下し続けるサイドバックたちは強いときのブラジル代表を思い起こさせる。しかし彼らを動かす前提となるプロセスはマスロフ、リヌス・ミケルス、ロバノフスキーの系譜に連なるものなのだ。

ペップ・グアルディオラは、昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝後にこう語った。「ボールがなければ我々は悲惨なチームです。最悪のチームです。ですからわれわれにはボールが必要なのです。」この言葉はアーセナルにも同じように使えるかもしれない。アーセナルももちろんながらボールをキープしているほうがずっとよいチームだ。両者の違いは、バルセロナアーセナルよりもはるかにボールポゼッションの回復がうまかったという点にある。

昨水曜日の試合では、開始20分でバルセロナのポゼッションが72%を記録した。これはどんなチームを相手にしてもなかなか予想できる数字ではないし、アーセナルのようにパス能力に秀でたチームを相手にすればなおさらのこと。これほどまでにポゼッションで優勢だったのはバルセロナが技術的にすぐれている―おそらくそれは正しいのだろうが―というのが大きな理由なのではなく、彼らがプレッシングに秀でていたからだ。試合開始からまもなくの間、彼らは素早くタックルを繰り出し、縦横無尽に動き回り、敵陣奥深くでもプレスを仕掛けた。情け容赦のない攻撃だった。ピッチ上には休める場所はなかった。ゴールキーパーからボックスのすぐ外にいるサイドバックへパスするときでさえも。

アーセナルはやられまくった。何度も何度も、普段ならボールキープに問題のない選手でさえもボールを失った。おそらくは怪我により十全ではなかったという指摘通りだったにせよ、セスク・ファブレガスがこの試合の前半45分で見せたようなまずいパス回しをしてしまったというのは信じがたいことだ。アンドレイ・アルシャヴィンは混乱してブスケツに突進し、ガスコインのように膝を壊してしまった。

心理的な要因

これが語られることのないバルセロナの強さだ。彼らはポゼッションに優れているというだけなのではなくて、ボールを保持している相手チームを不安にさせるのだ。アーセナルだけを考えてみるのではなく、昨年5月のローマでのマイケル・キャリックアンデルソンが惨めにパスを失敗し続けたことを思い出そう。これはバルサがスペースを封じるのがとても素早かったからだというのも一理あるが、同時に心理的な理由もある。バルサはポゼッションにとても優れていて、彼らからボールを取り返すのはとても難しい。だから相手チームがボールを持ったときはいつでも耐えられないくらいに貴重なのだ。簡単なパスでさえも大きなプレッシャーがのしかかる。失敗したら大変なことになってしまうからだ。

ポゼッションでいえばバルサほどではないが、ドゥンガ率いるブラジル代表も幾分同じような感じだ。これはロブ・スミスが言っているように、1982年以来やってこなかったスタイルでプレーしていると信じさせることができているから、というのもある。とても多くのフットボール批評家が、コンフェデレーションズカップコパアメリカでのブラジルの成功にどうやら首をかしげているらしいのはそういう理由があるからだ。昨年ドーハでイングランドを1−0でやぶった試合をスタンドから観戦していたジョン・テリーは、負けてなお「彼らの個人能力は高く1対1に強い」けれども「ブラジルが脅威だとは全然思わない」と強調した。

実はブラジルの選手たちはそうでないのだ。個人能力というのは彼らの強みではなく、まとまりこそが強みなのだ。そして彼らは規律をもってプレッシングを行うから、ボールを保持しているときの技術が高いこともあって、対戦相手はほとんどボールを持てない。これはウェイン・ルーニーが試合後のインタビューで見せたものからもわかる。ルーニーの真っ赤な顔は彼がどれだけ無駄なボールチェイスをやっていたかを雄弁に物語っていたのだ。

注目すべきは最近のブラジルが見せた一番出来の悪い試合で、これはエクアドルとのアウェーでのワールドカップ予選で起きた。この試合ではジュリオ・セーザルのセービングのおかげで惨敗せずにすんだのだが、キトという街はご存知のように高地にあるから、ハードなプレッシングがずっと難しくなってしまうのだ。

衝撃と畏怖

バルサは優れたサッカーをしているけれど、それにしてもこの試合の開始20分は抜群だった。とすると、いつもこのパフォーマンスが出せないのはどうしてなのか、そしてその後の70分はどうしてそこまでではなかったのか、という疑問が生まれる。もしかしたら自己満足に陥ってしまったのかもしれない。もしかしたらアーセナルが茫然自失の状態から立ち直って自分たちのプレーを取り戻し始めたのかもしれない。もしかしたらアルシャビンエマニュエル・エブエと交代したことで右サイドのディフェンス力が向上したのかもしれない。こういう説明はとてもありふれているはずだ。

いずれにせよ、歴史が物語っているのは、この試合の開始後しばらくのバルサのように、チームとしてすべてが完璧にかみあった状態になったとしても、それが数分以上持続するというのはほとんどない。これまで最高のパフォーマンスと称されるものでもだ。たとえば1972年の西ドイツはイングランドをウェンブリーで3−1で破っているが、実際にすばらしいプレーをしたのは開始後35分間だけだった。1953年にイングランドを6−3で粉砕したハンガリーでさえ65分以降が素晴らしかったのであって、前半終了までは調子がよくなかった。超越、というのは定義上実現するのが難しいし、維持するのはもっと難しいのだ。

でも同時にバルセロナの開始後の優位は計算済みのプランだったと言えるかもしれないし、だからロバノフスキーとの比較が適していると思う。もちろんミケルスとクライフの影響の方がより直接的ではあるのだが。バルセロナが水曜日にやってのけた強いプレッシングは体力を消耗するから、長い時間続けることはできない。

ロバノフスキーは、アナトリー・ゼレンツォフとの共著「トレーニングモデルの形成の方法論的根拠」において、3種類のプレッシングを説明している。敵陣奥深くまで追い回すフルプレッシング、ハーフラインより後ろで行うハーフプレッシング、そしてプレスしているように見せかけるが実はやっていないという偽プレッシングである。偽プレッシングではボールをキープしている敵選手を1人の選手が追いかけるが、他の選手たちはじっとしている。

技術的に優れたチームを相手にするときはとりわけ、相手を混乱させる目的でフルプレッシングを早い時間帯にしかけることをロバノフスキーはよくやった。そうしておけばあとは偽プレッシングで十分にミスを誘えたからだ。それにもちろんフルプレッシングの後では楽に先行することが多かった。

グアルディオラがこうした練りに練った理論を持っていたかとは思えないけれど、バルセロナ側には早い時間帯で自分たちを見せつようとする努力があったというのは十分にあり得る。ただ問題だったのは、キーパーのアルムニアが素晴らしい働きをして、バルサ側に不運とフィニッシュ力が欠如していたせいで、20分たっても先行できなず、一方で今シーズンのアーセナルは終盤でゴールを決めることが多いことからもわかるように、かつてのアーセナルよりも打たれ強かった、ということだ。

プレッシング・バック

アーセナルは自分たちもプレッシングで立ち向かおうとしたが、これははっきりいって見るに耐えないものだった。開始当初で揺さぶられたということは考慮すべきだが、それにしてもこの2チームの差ははっきりとしていた。プレッシングが効果的に働くためにはチームはコンパクトにまとまり続けなければならない。ラファエル・ベニテスタッチラインで見えないアコーディオンを弾くように手を狭めているのをよく見かけるのはこれが理由だ。アリゴ・サッキによれば、センターフォワードセンターバックとの距離はボールを保持していない場合25mが好ましいとされる。だがオフサイドトラップの自由化(これについては次週詳しく)により、この計算はすこしばかり複雑になった。

アーセナルの攻撃陣はプレスを仕掛け、その結果ミッドフィールドのラインとの間に大きなスペースが生まれるということが何度も繰り返された。あるいはミッドフィールドでのプレスによってバックラインの前にスペースを生まれてしまった。こうなると、ボールを保持している選手は対峙する選手をかわしてスペースへ逃れることができるし、スペースへ駆け込んでくる選手へ簡単にパスできる。これではプレッシングは意味をなさない。こういってもいい。アーセナルはまるで、偽プレッシングをしているかのようだった。でも彼らは最初の頑張るステップをやらなかったから、プレッシングがうまいんだと相手チームを納得させることができなかった。

ハーフタイム後は状況がさらに悪化した。どうやらアーセン・ヴェンゲルがハーフタイム中に指示を出し、バックラインを押し上げるように伝えたのだ。でも、タイミングよく組織だって押し上げないと、1点目のようにフォワードへの単純なフィードや、2点目のようなスルーパスを許してしまうという問題がある。これはアーセナルが過去2年間に何度もやらかしてきた問題だ。昨シーズンのエミレーツでのアストンヴィラ戦でのガブリエル・アグボンラホールのゴールはその典型例だ。

ウォルコットプロトコル

試合の流れがアーセナルに傾いたのは――といっても2点を奪った終了前の25分間でさえ、試合を支配したとは言えないのだけれど――テオ・ウォルコットが交代出場してからだ。1年半前にザグレブイングランドクロアチアを4−1で下したとき、ウォルコットはキープレーヤーだった。これは単に彼がハットトリックをなしとげたというだけではなくて、彼のスピードがクロアチアの左の攻撃システムに影響を与えたからだ。ユーロ2008でクロアチアは右利きのイヴァン・ラキティッチが内側に切り込み、サイドバックのダニイェル・プラニッチがオーバーラップすることが多かった。でもプラニッチウォルコットを自分の後ろに置く危険性を察知したため、オーバーラップできなくなった。攻撃の脅威という点でプラニッチは無効化され、一方ラキティッチは予測可能になった。いつも内側に入ってくるけれどサイドバックを引きつける選手がいなかったからだ。これは利き足が逆のウィンガーの欠点だ。

プレースタイル上本質的に、バルセロナも同じようにサイドバックのエリアが弱い。とくにダニ・アウヴェスはディフェンダーとは言えないような選手で、だからドゥンガマイコンを好むのだけれど、バルセロナがポゼッションで優位にたっていればそれも問題ではない。ダニ・アウヴェスの仕事はもう一人のミッドフィールダーになることと、メッシのためにオーバーラップすることだからだ(もしかしたらダニ・アウヴェスがいつものように前に出られないことがあるという恐れこそが、グアルディオラがメッシを右サイドではなく偽9番で使おうとした理由なのではないだろうか)。

これがバルサのプレッシングがあれほど素晴らしかった理由の1つだ。サイドバックが前に出ることで、バルサのシステムが実質的には2−5−3によく見えるのだ。これほど多くの選手がそこまで高い位置でプレッシングを仕掛けることはギャンブルだけれど、成功しやすいギャンブルでもある。去年のCL準決勝セカンドレグでのアウヴェスに対するフローラン・マルダのパフォーマンスはこのギャンブルが失敗し、バルサがポゼッションで優位にたてない時にどうなるかを示していると言える。

ウォルコットの登場はバルサのプレッシングを混乱させた。プラニッチのように、マクスウェルは肩ごしに後ろをのぞき始めたからだ(同じように、チャーリー・デイヴィスがサイドバックの後ろに斜め方向に走ったことが、コンフェデレーションズカップアメリカがスペインに勝利した大きな要因だった。これによりセルヒオ・ラモスが前に出れず、スペインのミッドフィールドがとても狭くなってしまったのだ)。

それまでにもサミル・ナスリはアウヴェスに対して幾分効果的だった。開始後1時間でのほとんどすべてのアーセナルの攻撃はナスリが起点になっていたり、ナスリのつくったスペースから始まっていた。そしてバルサの立ち上がりの圧倒的な攻撃に耐え、ポゼッションを回復し始めれば、アルシャビンもマクスウェルに対して同じようなことができたかもしれない。でもウォルコットのスピードはまた別の側面を生み出した。ウォルコットというサイドアタッカーが前に出てしまうとしまうと、追いつくことは不可能だということをマクスウェルはわかっているからだ。もしかしたらここからウォルコットをスタメンで使えという意見になるのかもしれない。でも先週の試合ではエブエ抜きにはポゼッションを回復することはできなかっただろう。

そしてこれが、アーセナルの切実なジレンマなのだ。バルセロナの弱点をつくために2人の選手をワイドな位置で攻撃的に配置させるが、このアドバンテージを最大限に生かせるだけのポゼッションを保てないという危険がある。ポゼッションを保とうとしてもっと注意してプレーすれば、そのアドバンテージを使えるような攻撃が生まれなくなる可能性がある。

でもそれよりも重要なのはプレッシングの問題だ。たとえほかのすべてが対等であったとしても、バルサアーセナルよりもずっとはるかにボールを取り戻すことに長けていたという事実に変わりはなく、その事実からバルサがポゼッションを支配し、その結果として試合も支配するということになるのだ。これにはマスロフもロバノフスキーも同意してくれたはずだ。

【7月22日 AFP】オーストラリアのパース(Perth)近郊のアボリジニ居住地で、ガソリン缶とライターを持って警察に襲いかかろうとした男性が電気ショックを与えるテーザー銃で撃たれ、炎上した。警察当局が21日明らかにした。

 当局によると、暴力的な犯罪者として知られる男性(36)がガソリンとライターを振りかざしながら警官たちに向かって走ってきたため、自己防衛のためテーザー銃を撃ったところ、男性が炎に包まれた。男性は顔面、腕、胸に3度の火傷を負った。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2623391/4384190


「ガソリン缶とライターを持って警察に襲いかかろうとした」ってちょっと変だよなあと思って調べてみました。

The arrest of an Outback petrol sniffer who erupted into flames after being shot with a Taser has renewed controversy over the use of the electric stun guns by Australian police.

http://www.nzherald.co.nz/world/news/article.cfm?c_id=2&objectid=10585884


petrol=ガソリン、sniff=においをかぐ…ってどういうことですか

飲酒文化は元々無かったが、後に白人が持ち込んだ酒に興味を覚え、これに耽溺する人も出て社会問題となっている(詳細は後述)。ガソリンを吸引し酩酊を楽しむペトロールスニッフィングも同様に社会問題になっている[2][3]。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8B#cite_ref-2


http://www.gemstory.com/weblog/2006/10/post_117.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7679278.stm も参照


貧困と飲酒漬けでアルコール中毒になって児童虐待増加
 ↓
児童虐待を防止するため政府による禁酒政策
 ↓
アルコールの代替としてガソリン吸引の増加
 ↓
事件発生

という流れでいいのかな。

壊れたDVDのコピー

人からMacbookで読めるようにしてと言われた8cmDVDはDVDプレイヤーで再生するとエラーでまくりでした。コピーもできませんでした。そこでそういえば無理やりコピーできるとかいう記事読んだような、ということでググって見たところ GIGAZINECD Recover が紹介されていました。


DLして使用してみたところ、どうしようもなく遅くて悶えたのでいろいろ探してみた→Roadkil's Unstoppable Copierというのを見つけました(Windows用のソフトです)。

Settings で Fastest Data Recovery に設定したところ5分程度でコピーできました。回復率は壊れたファイル全体の90%でした。

最近よく聞くPodcasts

CBC(カナダ)ばかりです。まあこれはカナダ在住暦があるというのと、英語が聞きやすいというのもありますが、エンターテイメント性にも富んでいる(というか、金かかってる)気がするから、というのもあります。


Spark


テクノロジー系というか、はてなを楽しめる人にちょうどいいくらいのIT系の話題です。最近だとタスポとか、Twitter でハイクコンテスト、とか。30分弱の番組でテーマが3〜4個、基本的にインタビューメインです。


Definitely not the Opera (DNTO)


番組説明は taking pop culture personally とのことですが、具体的な最近のテーマは「an inside look at outsiders」とか、「focusing on distractions」など。といってもよくわからないのでサイト参照 笑。メインテーマに沿った10分程度のインタビュー、モノローグ、雑談などで構成されています。いろんな形態の英語に触れるにはいいと思います。Podcast版は1時間強。ただまあホストの Sook-Yin Lee のしゃべり方は好き嫌いがあるかも。だらだら聞きたい人にもいいのではないでしょうか。


Quirks and Quarks


科学者にインタビュー4〜5本。科学番組ですが、ホストがわかりやすく誘導してくれるので、英語理解力さえあれば高校1年生でもわかると思います。どちらかというとゲストがずっとしゃべって、ホストは相づちをうつ程度。1時間弱。


DNTOみたいな番組がもっと聞きたいです。


時事系は言葉が難しい以上にバックグラウンドの把握が難しいのであまり聞きませんが、The Current の冒頭の Sarcasm は楽しいです。↓こんな感じ

It's Friday May 1st.

The World Health Organization has said it will stop using the term `swine flu' to avoid confusion over the danger posed by hogs.

Currently, the virus will now be known as the Pandemic Influenza Germ ... or PIG flu.
http://www.cbc.ca/thecurrent/2009/200905/20090501.html