うそをうそと見抜くということ

「悪魔に仕える牧師」(未読です)に収録されている「情報への問題提起」(英文)というエッセイに経緯が書かれていて、ここ読むような人は知ってるんだとは思いますが一応。


創造論者がドーキンスにインタビューをしたことがあり、フィルムとして公開されました。その中で「ゲノムの情報量を増加させると考えられる突然変異や進化プロセスの例を挙げていただけますか?」という質問に対して長時間無言のまま答えられない、というシーンがありました(上記リンクのビデオ22:15あたり)。これはYoutubeにも(使いまわしたバージョンが)アップされています。



最近アップされた別バージョン(自称未編集版)がこれ。



両者(あるいは三者)の違いを確認してほしいのですが、ドーキンスは後のほうのクリップの0:28あたりでフィルムを止めるように言っています。


エッセイにも書かれている(またドーキンス自身が掲示板で語っている)説明、さらに当時彼が知り合いに宛てた手紙(これが詳しい)によると、

  • 取材方法が技術的にあまりに稚拙でおかしいと初め思った(それまでにドーキンスは少なくとも3つの長時間テレビ番組をつくっています)
  • 例の質問をされて、こいつらは創造論者で、自分ははめられたんだということを確信した
  • しかし取材は受けると言ったし、取材者はオーストラリアからはるばる来ているし、きれてはいけないと悩んだ


これで例の沈黙となったそうです。その後テープを止めるように言って、立ち去ってほしいと慇懃に申し出たけれど、相手が涙ながらに訴えたので哀れに思って取材を続けた、と。


でフィルムには続きがあって、答えはしているんですが問題をそらしている! とビデオ製作者(完成版を含め)は主張したいらしい。ところで未編集版(Raw Footage)と言う割には途中でカットされてる部分があるんですが。


ちなみに質問の答えはエッセーにあるはずのでご確認を(というか進化論を理解しているのなら答えは簡単に出てくるはず。エッセーはこれから読む! かも)。しかしなんというかどっかの放送局もやってそうな手法だな、ということで。